第六話:突撃!衝撃!具和殿輪亜駆守!
こそこそ・・・・・と、2人の武者が工場の入り口で隠れている、すぐそこにあるのは石造りの門で、昼の日光に照らされ、温かみをもっている。
「よし、いまだ!いくぞっ!」二人のうち、一人が駆け出した!しかし、
「お客様・・・?」受付のおねーさんに止められた。
「何をなさってるんですか?見学ならこちらですが・・・・・」そう説明した。
「だからいったじゃないか・・・・」後ろの方から声がした、さっきの2人のうち走らなかった方、何と白凰だった。
「だって、やっぱ基本だろー?」こっちはご多分に漏れず烈紅龍である。
「あれじゃただの産業スパイだよ、しかも新米の。」白凰は呆れながらも言った。
「あの・・・・見学するなら早くしていっていただけませんか!?」おねーさんは大きめの声でいった。
まずは長屋、一軒家の部品製造所である、「あ、あの部品家にも付いてる!」
「おい、見ろよ!あのだんご屋と同じ屋根だぜ!」2人はすっかりはしゃいでしまっている。
そしていよいよ城のパーツのところだ!「おおっ天地城の模型だぁ!」「こっちは烈帝城だよっ!」
大型模型を見ながら、その前のガラスの中を見ると・・・・
「おおおおおっ!!でっかい!」烈帝城に付いてる羽みたいな部品そっくりなパーツが製造されていた。
その後も、いろいろなパーツを作る手順などを見て回ったり、楽しく工場見学は終了したのだった!
「・・・・・・れっこーりゅー・・・・・ぼくらなにしにきたんだっけ・・・・・」
白凰は力なく聞いた、「え?あ・・・・・・」烈紅龍もようやく気付いた。
「でも、怪しいとこなんて無かったぜ?」まぁそうである。
そんな、怪しいところがいくつもあったら、工場見学なんてやってる場合ではない。
ふと、そこへ・・・「がさっ」と、後ろの茂みのほうから、物音がした。
「動物かなんかかな・・・・ん?」白凰が何かに気付いたようだ、「ねぇ・・烈紅龍・・あそこだけ木の色ちがくない?」烈紅龍も気付いた様子で「ん・・・ほんとだな・・・・どれ」烈紅龍は手を突っ込んでみた、ヘビでもいたらどうするんだ。
「・・・・・・!深い・・・?おい白凰!ここ・・・・・道があるぜ・・・地下への!」
「行ってみようか・・・?怪しいとこはここぐらいしかないし・・・・」烈紅龍はうなずいた。
2人は茂みの中へと入っていった、中は階段になっていて、両脇の土から上に向かって草が生えている、どうやら、これが茂みの正体だったようだ。
さて、少しずつ階段を下りていくと、白凰はある事に気づいた。
「ねぇ、な・・なんか足元に何も無いようなきがしない?」烈紅龍は答えた、「お・・お前もか?でもまさかアメコミじゃあるま・・・・い・・・・・し・・・」言いながら下を覗くと・・・・
『あああっアメリカァァァァン!!!』
と謎の言葉を叫びながら落ちていったのだった!!
『ああああ・・・』ザブン!と豪快な音を立てて、二人は水の中へ落ちた。
「あぶなかったぁ・・・下に水が無かったら死ぬとこだっ・・・大丈夫烈紅龍?」
横では烈紅龍がバチャバチャ手を振り回しながら、しきりに騒いでいた、
「ああァァッ足つった!助けてくれ!」しかし、白凰はそれどころではないことに気付いた。
黒い三角形の板のような物が水面を滑っている。
「・・・・さ・・・・・サメ・・?」「グバアアアアァァァッ!!」サメが襲い掛かってきた!
「うわあああぁぁぁ!!」白凰は烈紅龍の手を引っつかむと、一目散に岸に向かって逃げた、
余談だが、そのとき烈紅龍は、白凰が水の上を走っているように見えたという。
「ふ〜あぶなかっ・・・・!」岸に着いた白凰は、急に黙った、
「どうした?なにかあったのか?え、上・・・?・・・・!」
白凰が指さした場所それは、機械仕掛けの扉、・・・の上のマークだ、何かどこかで見たような・・
「・・・・・」二人は、顔を見合わせ、同時にうなずいた、そして、扉をくぐったのだった・・・
「こ・・これは・・・!」白凰が驚く、無理も無い、それは研究所のようだった、しかもそこで造っていたのは、鉄器武者だったのだ。
「聞いたことねぇな、具輪伝の鉄器武者なんて、守ってるのは知ってるが・・・・」
烈紅龍も驚嘆する。
「とりあえず・・・そこに扉があるよ、行こう!」ピッ!と音をたて、扉は開いた。
中には人がいる、「誰だ!」相手は武器を構えた。
「誰かは知らんが、ここの事を知ったからには生かしておけぬ!みんな、来い!わぁぁぁ!
同系の武者が大量に集まってきた、どうやら瞳からして、鉄器のようだ。
「砂有(ザウ)!隊参上!」
「へえ、やろうってのか!いくぜっ!」戦闘は開始した、「先手必勝!」烈紅龍は、鉄器に飛び蹴りを放った・・・「ぐあっ!」いきなり爆発した。「弱っ!」そうとわかると烈紅龍は大暴れだ、敵を殴り飛ばすわ、投げ飛ばすわ、連続で飛び石のように頭を飛ぶわ・・・・・あっという間にガラクタの山だ。
「僕の出番は・・・?」白凰は嘆いた。
「ま、いいじゃん!次行こうぜ、研究室・・・」
しかし、彼らはそこで驚きを受ける事となった。
中には青い鎧を着け、マントを羽織った武者がいた。
「外が騒がしいと思いましたが、どなたです?」中にいた青い武者が言った、
「ここは一体・・・?」
「部外者は言う訳ない、ということですか?
・・・ならば永久に口を封じてもらいましょう!我が名は裏月技術博士・・・匠蒼斎(ショウソウサイ)!」
そう名乗ると、匠蒼斎は、襲い掛かってきた!
「裏月・・・?ああああっ!」そう!あの橙盗丸の肩にも扉のところと同じ紋章があったのだ!
『王努桜輝招来!』2人は同時に鎧を装着した、白凰は、敵の刀を弾くが、そのまま、敵は円を書くように、後ろの烈紅龍にも攻撃を加えていく、しかも、強い斬撃である。
「ぐっ・・・!強い!」
「全く、この程度ですか・・・私みずから手を下す必要もありませんな」そういうと、匠蒼斎は、側にあった台の近くに駆け寄った。
「ククク・・・・やってみますか、さぁ、ウォーミングアップです!紅牙!!」
「紅牙だって!?」白凰は叫んだ、そのとき、台には、小さな鉄器武者がおきあがってきた。
「・・・・・紅牙・・・・紅牙!僕だよ!」しかし、小さな鉄器武者は返事をしない。
「おや、お知りあいですか、しかし、あなたの友達は、こっちですよ!」
そういうと、匠蒼斎はボタンを押した、もう一つ台が起き上がる、そこには、紅い鉄器武者がいた・・・・
「紅牙!やっぱり君は・・・!」と白凰が近寄った瞬間である、ズバァ!「・・・・え?・・・・」
紅牙は、腕から刃を展開し、白凰の肩をかすめた。
「シンニュウシャ・・・・・・はい除・・・スル!」紅牙は斬りかかってきた!
「何ぼさっとしてんだ!」烈紅龍に白凰は助けられた、「・・・ダメだ・・・戦えないよ・・・」白凰は気弱に言った。
「何言ってんだ、やらなきゃやられ・・・!」言った瞬間、紅牙が斬りかかる!「うわああああぁ!」
・・・・・・ピタッ・・・と、刃が止まる。
「白凰・・・?一体なぜ君が・・・!ボ、ボクは一体何を!」「紅牙・・正気に戻ったの・・・?」
「やはり不完全な心得では・・・ッ!撤収です!」そう匠蒼斎が叫ぶと、天井がわれ、縄が降り、忍者のような武者が逆さであらわれた。
「ぬっ・・・どうしたでござる!撤収ですと!?」しかし、忍者は白凰を見つけると、「そういうことでござったか、紅牙どの、参ります!そろそろ頭に血が上ってしまうでござるから!」
その忍者は、紅牙の肩をつかみ、持ち上げていった。
「はっ白凰!!助け・・ザザ・・侵入・・・ざ・・挫不都の国・・・・撤収スル・・・・」
「紅牙ああァァァ!」しかし、それに対する返事は無かった。
「さて、あなた方は生かしておけませんが、どうせ脱出は無理、ですが念のため・・・
自己破壊装置、作動!もうあなたは逃げられない、梯子でもあれば別ですがね!それでは、さらば!」匠蒼斎の背中からブースターが現れ、空に消え去っていった、そして、天井は閉まった。
それから、2人はその部屋を脱出した、とりあえず、さっきの工場まで逃げる、そこで烈紅龍は、いいものを見つけた。「おい、梯子があるぜ!」二人は上るが、上のほうは行き止まり、よく見ると、扉があった。
「任せろ!そおぉりゃァッ!」烈紅龍は、
鉄棒のように、梯子で一回転、扉を蹴破る!「きゃああぁっ」そこにいたのは、具輪伝の受付のお姉さん、なんと、壁紙の裏に、扉が隠されていたのだった。
白凰が出た瞬間、後ろでゴゴゴゴ・・・・と地崩れの音ががした・・・・・
さて、この2人は、何とか地下工場から脱出し、外で会話していた。
「なぁ、これからどうするんだ?」「もちろん、挫不都へ行くよ、これで目的地ははっきりしたんだから!」もう迷わない白凰は、挫不都に行く、と誓ったのだった。
「お客様!」受付のおねーさんが駆け寄ってきた。
「壁紙を弁償していただきますよ!」
『ええっ!?』2人は絶叫した。
第六話:おわり
次回予告!
挫不都を目的地とし、旅を続ける白凰!しかし方向音痴の烈紅龍のおかげで、
なぜか、温泉地に!せっかくだから、夜の花火を見ていこうということになるが・・・・・
次回:びっくり花火と砲撃士
お楽しみに!
オマケのヒトリゴト:しょうそうさい、早口で十回言えますか?