第弐話:驚天動地の大豪刀その1

 天宮にすむ少年、白凰は山賊に襲われ、危機一髪の所で、不思議な鎧と、
公儀武者「剣刃隊」の天鷹頑駄無に救われた。

しかし、肝心の買い物かごの中身を忘れてきたのだった、しかも、その日は食材がなく、仕方なく
ご飯に、具なしの味噌汁を食べていた。

白凰は山賊に、腹が立ってきた、が、仕方なく我慢した、今からとりに行っても遅い。
 その日の晩、彼はなかなか寝付けなかった、両親はもうすでに寝入っている、しかし、
白凰は眠れなかった。

今日起こった事、 山賊、 鎧、 天鷹頑駄無・・・・・
それらのすべてが、彼の頭の中をかき回したが、一時間ほどたってから彼はやっと眠りについた。

次の日の朝、白凰は、大勢の人の声で起こされた、・・・・・・ガヤガヤ・・・・・・・・「うるさいなぁ・・・・・」
そう思いながら窓から外を見ると、なんとそこには!
多くの人と紛れ、数人の武者が戸口に立っていた。
よくみると、剣刃隊の印が服についていた。
白凰は両親を起こし、両親にその事を話した、両親は寝巻き姿のまま戸口にすっ飛び、
いきおいよく戸を開けた。

あまりの勢いに、見物人が飛び上がるほどの大きい音がした。

「家の子が何かしでかしましたか!!」白凰の父は、慌てて聞いた、その気迫に驚きながら、武者は答えた「い、いいえ・・・・あの・・・あなた方の息子さんを、我々剣刃隊に入隊させたい、との総隊長のお言葉がありまして・・・」
それを聞いた両親は、ものすごく驚き、腰を抜かしてしまった。
「・・・・・なんかあったのぉ・・・?」寝ぼけ眼で白凰はいった。

少し時が経ち、白凰は、剣刃隊本部へ向かった、剣刃隊本部は、前回白凰が野菜を買いに行った町、経里御(ヘリオ)の町にある砦のことである、そこへ行く途中白凰は、野菜の入った籠がないか、探しながら行ったので、
何度か通行人に当たりそうになったが、ようやく町についた。
門に行くと、「どのようなご用件で?」と、門番に言われ、朝の武者が持ってきた手紙を渡した、
とりでに入り、中の人に聞きながら、総隊長室へ向かうと、、目の前に現れたのは
妙に気迫のある扉だった。

「う・・・・わ・・・・・・」白凰はそう口走って、後ずさりしようとしたが、誰かに呼び止められてしまった。
「おい、お前は・・・・・」
「ぎゃあっ!!」白凰は飛び上がった、緊張していたのだ、無理もない。
「あっっと・・・・確か天燕さん・・・・?」
「誰が天燕だ!!俺は天鷹(テンヨウ)だっつーの、まったく、ツバメか俺は・・・・それで、何してんだ?こんなとこで、」
白凰は事情を説明した、「ほうほうあの爺さ・・・・・おっと総長がねえ・・・・」天鷹は驚いた様子で、白凰に言った。

「よし、じゃ、はいるぞ、俺も暇でね・・・・・えっと、名前は?」「白凰です」そして、扉に向かい、「刃-零です、白凰と言う少年をつれてきました。」そう言って、戸を開けた、すると・・・・・
そこには立派な髭を生やした、厳格な顔つきの武者がいた。
「ようこそ、白凰君、私が剣刃隊総隊長、厳頭将頑駄無(ゲントウショウガンダム)だ・・・・・・急によびだしてすまなかったね、・・・・・そこで立っているのもなんだ、お美利(ミリ)さん、座布団を!」
お美利と呼ばれた女性が入ってきた、その女性を見て白凰は仰天した、なんと彼とそう変わらない歳であろう少女が座布団片手に入ってきたのだった。

「はい、どうぞ、・・・・あら?・・・・あ、あんたはぁぁぁ!!」「き、君はぁぁぁ!!」白凰と美利は叫びあった。
「あんた白ちゃんじゃない!新人候補って、あんただったの!?」「みーちゃんこそ!!何でここに!?」
「二人とも、積もる話は後だ。」天鷹がぴしっ、と言った。「あ・・・・・」「う・・・・・・」「「ごめんなさい」」
「彼女は女中見習でね、知り合いだったとは気がつかなかったよ、・・・・早速だが、入隊の手続きを、」
「ち、ちょっと待ってください!まだ入ると決まったわけじゃ・・・・」
「では君はその力をどう使う?」
「・・・・・・・・・!!」そう切り返され、白凰はくちごもった。
「もしかしたらその力を悪用しようとするものが出るかもしれんのだ、入隊すれば安全だ、さぁ、入るといってくれ!」
そう厳頭将が言った瞬間、隊員が駆け込んできた、「天鷹隊長!!大変です!」
「どうした!」
「坐府都(ザフト)の国のものと思われる者が大勢暴れています!!
目的は例の鉄機武者と関係があるようです!場所は・・・・・風乱斗の村!」


次回予告!
襲撃の目標となってしまった風乱斗の村!そして6年前の事件!絡み合って生まれた謎に
白凰は立ち向かえるのか!「・・・・・僕は・・・・こんなところで・・・・・・!!」 

次回 第参話:驚天動地の大豪刀その2